XM Tradingのゼロ(Zero)口座は果たしてどれほど利用価値があるのか?

XM Tradingの口座タイプはスタンダード口座、マイクロ口座、Zero口座の3つがありますが、この中でも実際に使う価値があるのかどうなのか気になるのがZero口座です。

ここでは、XM TradingのZero口座について利用価値があるのか、少し深掘りをして解説していきます。

ゼロ(Zero)口座は『スプレッド+手数料』の合計が取引コスト

XMTrading ZERO口座の特徴

ゼロ(Zero)口座の特徴について

項目XMTrading Zero口座
取引手数料往復10ドル(約1,000円)
最大レバレッジ500倍
最低入金額10,000円
各ボーナス付与口座開設ボーナスのみ
スプレッド平均0.1pips〜

Zero口座はその名の通り、スプレッドがゼロに近く設定された口座で、一般的にFXではスプレッドがなるべく狭い方が有利なトレードができます。国内FX業者ではレバレッジが25倍なので、はじめから0.2〜0.3pipsほどとスプレッドが狭くなっていますが、海外FX会社の場合はレバレッジが高いため、主要通貨ペアではスプレッドが大体1.5〜2.5pipsほどに設定されているのがほとんどです。

その中でXM TradingのZero口座は、スプレッドがほぼゼロに設定されているのは一見すると魅力的に感じますが、上の表からも分かる通りスプレッドが狭い分、別途手数料が発生するのが特徴です。

取引手数料をpips換算して取引コストを算出する

主要通貨ペアスタンダード・マイクロ口座Zero口座
USDJPY1.6pips0.1pips
EURUSD1.7pips0.1pips
EURJPY2.3pips0.4pips

Zero口座とはいえ、いくらスプレッドがゼロといっても完全にゼロではなく、USDJPYなどの主要通貨ペアでも平均0.1pipsほどのスプレッドはあり、トレード毎に1ロットあたり10ドルの手数料が発生します。

これをスタンダード口座と比較できるようにpipsに換算すると次の通りです。

■USDJPYで1ドル100円を想定して換算した場合
1ロットの取引で1,000円を獲得するための計算式は『利益÷ロット数』なので
計算式に当てはめると『1,000円÷100,000通貨』で0.01円
よってpipsに換算すると0.01円=1pipsなので必要な獲得pips数は1pips

Zero口座の手数料をpips換算すると1pipsなので、これにZero口座の平均スプレッドを足すことで、スタンダード口座に置き換えるとどれくらいのスプレッドなのかが分かります。

今回はUSDJPY(米ドル円)の通貨ペアを例に見ていきますが、USDJPYの平均スプレッドは0.1pipsなので、これに手数料をpips換算した1.0pipsを足すと1.1pipsになります。

スタンダード口座では、USDJPYは平均1.6pipsほどのスプレッドなので、比較すると0.5pipsほどZero口座の方が有利なスプレッド設定になっているといえます。

USDJPYを1ロットでトレードした場合のスプレッド換算

①1ロットの取引で手数料の10ドルを獲得するために必要なpips数は1.0pips
②USDJPYの場合、Zero口座の平均スプレットは0.1pips
③手数料1.0pips+スプレッド0.1pips=Zero口座のコストは1.1pips
④スタンダード口座:平均1.6pipsに対してZero口座:平均1.1pips
⑤Zero口座はスタンダード口座に対して平均0.5pipsのスプレッド差になる

取引手数料が徴収されるタイミングについて

Zero口座に取引手数料は、1ロットあたり往復で10ドルとなっていますが、厳密に言うと取引プラットフォームのMT4なのかMT5なのかで徴収されるタイミングが変わってきます。

はいえ、それぞれの口座で手数料が差し引かれるタイミングが異うだけで、エントリー時に往復分をまとめて徴収されるのか、エントリー時と決済時でそれぞれ徴収されるのかの違いだけなので、どちらも1ロットあたり10ドルの手数料がかかるということに変わりはありません。

■MT4口座:1ロットあたりエントリー時に10ドルの往復手数料が徴収される
■MT5口座:1ロットあたりエントリー時に5ドル、決済時に5ドルの手数料が徴収される

XM Tradingでゼロ(Zero)口座を使う場合のメリット

他の口座タイプよりも安い取引コストでトレードができる

前述の通り、取引手数料+スプレッドという観点から見てみると、取引コスト自体はスタンダード口座やマイクロ口座よりも安いので有利です。そのため、スキャルピングがメインだったり、スプレッドを重視する場合は使う価値はあると思います。ただ、詳しくは後述しますが、他の口座タイプの場合は、各種ボーナスが付与されますので、取引コストだけでなくボーナスも加味して判断することも必要です。

3,000円の口座開設ボーナスが受け取れる

Zero口座の場合もスタンダード口座やマイクロ口座と同じように口座開設をすると3,000円の口座開設ボーナスがもらえます。ただし、口座開設ボーナスはXM Tradingで初めて口座を開設する時にのみもらえるボーナスなので、すでにスタンダード口座もしくはマイクロ口座を持っている場合は対象外となります。

取引手数料を経費計上して申告することができる

本来はスプレッドもFXをする上でのコストになるはずですが、経費として考えた時にはスプレッドは経費計上ができません。ですが、Zero口座の取引手数料は、XM Tradingの取引明細に載るため、確定申告の際に経費として申告することが可能です。そのため、年間を通してトレード回数が多い場合は、取引手数料もかなり多くなるため、節税としての利用価値は大いにあります。

XM Tradingでゼロ(Zero)口座を使う場合のデメリット

入金ボーナスとXMポイント(XMP)は受け取れない

Zero口座では口座開設ボーナスはもらえますが、その他の入金ボーナスやXMポイント(XMP)については対象外です。そのため、基本的には完全自己資金でトレードすることになりますので、潤沢な資金があれば特に気にすることではありませんが、そうでない場合は、各種ボーナスがもらえるスタンダード口座やマイクロ口座を選択するのが得策です。

最大レバレッジが500倍でCFD取引はできない

スタンダード口座とマイクロ口座は、XM Trading最大の売りでもあるレバレッジが888倍でのトレードが可能ですが、Zero口座は最大500倍までです。確かに500倍でも国内FX業者に比べれば十分に高いのは間違いありませんが、せっかくXM Tradingを使うのであれば、やはり888倍でトレードしたいものです。

また、FXの各通貨ペアと貴金属銘柄のゴールドとシルバーはトレードが可能ですが、それ以外のココア小麦などの商品、原油や天然ガスなどのエネルギー、ナスダックや日経225などの株価指数やインデックスといったCFD取引には対応していません。

他の口座タイプに比べて初回の最低入金額が高い

スタンダード口座とマイクロ口座の最低入金額は500円ですが、Zero口座の初回最低入金額は10,000円です。確かにスタンダード口座などと比べると高いように感じますが、Zero口座は元々入金ボーナスがもらえませんので、あらかじめ多めに資金を用意する必要があります。

そういう意味では、最低でも10,000円ほどは入金しておかないと心許ないように感じます。

XM Tradingのゼロ(Zero)口座は使う価値があるのか?

これまでZero口座の特徴やメリットなどを解説してきましたが、結論のところ、使う価値があるのかどうかは賛否両論です。人それぞれの判断にもよるのがZero口座の特徴なので、そこは断言し難いところです。

また、メリットとしての取引コストの部分においても、見方を変えればデメリットにもなり得ます。

例えば、『取引手数料+スプレッド』これだけを見ればスタンダード口座よりも安いのですが、スタンダード口座には入金ボーナスとXMポイント(XMP)が付与されます。

取引コストとボーナス』これらをトータルで考えると必ずしもメリットとは断言できません。

スタンダード口座とのpips差のコストを賄うことが可能

例えば、入金ボーナスなら最大で50万円分のボーナスがもらえますし、XMポイント(XMP)はトレード毎に1ロットあたり350円〜700円が付与されます。前述の例に挙げたUSDJPYの場合だと、スタンダード口座とZero口座のpips差は0.5pipsほどなのでコスト換算すると500円程度の差です。

これに対しXMポイント(XMP)は、ランクによって変動はありますが、1ロットあたり350円〜700円分のポイントが付与されるので、それだけでpips差の500円を賄うことができてしまいます。

つまり、Zero口座で有利だったpips差は、スタンダード口座でXMポイント(XMP)を使うことでその差を埋めることができるということになり、安さが売りのZero口座の取引コストの魅力が削がれてしまいます。

XMポイント(XMP)については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。

結局のところスタンダード口座に軍配が上がる

そう考えると取引コストだけに注目するのはなく、ボーナス付与やレバレッジなどトータル的にお得感があるのかを加味すると、やはりスタンダード口座に軍配が上がります。

ただし、あくまでスキャルピングがメインである、または節税を視野に入れているなど特定の理由がある場合はZero口座がベストですが、そうでない場合はスタンダード口座を使うのが良いでしょう。